[アップデート] Amazon FSx for OpenZFS に新しいデプロイタイプが追加されパフォーマンスが向上しました #reinvent
Amazon FSx for OpenZFS に新しい世代のデプロイタイプ(Single-AZ 2)が追加され、スループット、IOPS性能が従来の2倍まで向上しました。
Single-AZ 2 を知るには以下のドキュメントが最適です。どういった改善がなされたのか紹介します。
Single-AZ 2 の登場
従来までのデプロイタイプを Single-AZ 1、この度追加されたデプロイタイプが Single-AZ 2です。
特筆べきは NVMe cache が新たに追加されハードウェア面のアップデートがありました。in-memory cache は以前から搭載されていました。
画像引用: Amazon FSx for OpenZFS performance - FSx for OpenZFS
パフォーマンス比較
Single-AZ 1と、2の最低構成時のパフォーマンスを比較して性能が向上したところを確認してみます。
プロビジョニングスループット容量
Single-AZ 2 は最低値も、最大値も共に引き上げられています。
Single-AZ 1 | Single-AZ 2 | |
---|---|---|
最低プロビジョニングスループット容量指定 | 64 MB/s | 160 MB/s |
最大プロビジョニングスループット容量指定 | 4096 MB/s | 10,240 MB/s |
10240 を選択できるようになっています。
キャッシュからのリード
共に最低プロビジョニングスループット値指定時のキャッシュからのリードパフォーマンス。軒並み向上していますね。NVMe キャッシュも追加されました。
Single-AZ 1 | Single-AZ 2 | |
---|---|---|
ネットワークスループット容量 ベースライン | 200 MB/s | 375 MB/s |
ネットワークスループット容量 バースト | 3,200 MB/s | 6,250 MB/s |
インメモリキャッシュサイズ | 1.4 GB | 5.6 GB |
NVMe L2ARC cache | none | 40 GB |
ディスクからのリード・ライト
共に最低プロビジョニングスループット値指定時のディスクからのリード、ライトパフォーマンス。こちらも軒並み向上しています。
Single-AZ 1 | Single-AZ 2 | |
---|---|---|
ディスクスループット容量 ベースライン | 64 MB/s | 160 MB/s |
ディスクスループット容量 バースト | 1,024 MB/s | 3,125 MB/s |
ディスクIOPS ベースライン | 2,500 MB/s | 5,450 MB/s |
ディスクIOPS バースト | 40,000 MB/s | 87,500 MB/s |
IOPS自動プロビジョニングのとき
Automatic provisioned
IOPS はディスクサイズに応じて IOPS が追加されていくモードです。
Single-AZ 2 では最大 IOPS が向上した分、ディスクサイズが大きいときの恩恵が大きいです。
画像引用: Amazon FSx for OpenZFS performance - FSx for OpenZFS
料金
Single-AZ 2 に関する明確な料金の記述を見つけられていません。そのため、現行の課金体系のままだと思われます。 ランニングコストに関わる項目は、ディスクサイズ、スループット容量、IOPS の値と、バックアップストレージ代です。
最小構成換算ですとディスクサイズ代は Single-AZ 1 も Single-AZ 2 も同じです。スループット容量代は Single-AZ 2 で最低値 64 MB/s から 160 MB/s に上がりました。そのため、最低構成で比較するとスループット代が高くなるはずです。IOPS代はデフォルト付与の 1GiB 辺り3IOPS を超える分が追加課金になります。最低構成だとベースラインのIOPSが適用されるため、同じ料金でも性能アップしたことになります。バックアップストレージの単価は同じですので、ディスクサイズ同様に変化なしです。
タイプ変更はできますか?
現時点では Sigle-AZ 1 から 2 へのタイプ変更や、アップグレードはできません。バックアップからリストア時にタイプを指定できるため、リカバリを持って変更はできます。
おわりに
ワークロード次第ではありますが、OpenZFS を必要とする場面では最低構成だとスループットがボトルネックになるかもしれません。ですので、ある程度のディスクサイズで作成することになると思います。そのため、スループット、IOPS が向上した恩恵をより受けることができるため、積極的 Single-AZ 2 を採用してよいのではないでしょうか。推奨値も Single-AZ 2 ですしね。